まだまだコロナの影響が色濃く残る末広通り商店会。でも、コロナ禍が過ぎ去ったあとにいつも通りの賑わいを取り戻そうと、商店会としてもさまざまな取り組みを実施している。

今回は、感染症対策を万全に期して営業を続ける2店舗を紹介する。

昆ぶ家

末広亭そばの石井ビル2階の『昆ぶ家』は、三種の昆布と自家製返し醤油を合わせたお出汁で味わうこだわりの讃岐うどんが自慢のお店。
毎日直送される宮崎鶏を炭火で焼き上げたもも焼き、産卵前の鶏にこだわった白レバーも絶品であり、昭和40年代をイメージしたレトロ感漂う店内が人気を集めている。

新型コロナウイルス感染拡大により、昆ぶ家は売上が半分以下になってしまったという。
その中でも感染症対策を万全に期して営業を続ける店長・野澤祐道さんに話を聞いた。

コロナ禍の中でお店を運営していて、昆ぶ家さんはどのような変化がありましたか

「売上的には半分以下になりました。特に夜は人通りが少なくなってしまいましたしね……。ただ、その中でもお客さんにウチの店を選んでもらえるように、安心・安全に飲めるような方法を考えています」

具体的にどのような対策を取っていますか

「店の構造的に個室には出来ないので、パーテーションで席と席を区切ったり、お客様には入店時に手指のアルコール消毒・体温測定にご協力いただいたり、店員が全員マスク着用で接客したりと、目に見える形で『対策をしている店です』という姿を見せてお客様に安心感を持っていただこうと取り組んでおります。そうしないと、一度来ていただいたお客さんから次に昆ぶ家を選んでいただけなくなってしまうなと思いますし」

従業員の方の意識はいかがですか

「私達はスタッフも少ないので、誰かが（新型コロナに）かかってしまったら店を閉めないといけなくなります。どんなに気をつけても防げないことがあるのは承知の上ですが、従業員一同常にそういった危機感を持っての生活を心掛けています」

来店するお客さんは感染症対策に協力してくれますか？

「皆さん積極的に協力してくださっていて本当に嬉しく思っています。ランチタイムは大勢の方がいらっしゃるのですが、皆さん黙食にご協力してくださいますし、お手洗いに行く際に席を立つときもマスクをしてくださいます。皆さんのご協力で成り立っていますね」

最後に、世間の皆さんにメッセージをお願いします

「飲みに行かれるのが楽しみという方も多いと思いますし、この末広通り商店会はそういった方々が多く集まる場所だと思います。しっかりと感染症対策をしている店は安全だと思いますので、ルールを守ってご来店いただければと思います。昆ぶ家でお待ちしております！」

庄助

末広通りから一本外れた飲み屋街、明るい店内が外からも目を引く『庄助』は、100種類を超えるフードメニューと40種類のドリンクメニューを持つバリエーション豊かな居酒屋。
中でも焼き鳥・焼きとんは定番メニューとして愛され、新鮮な魚介類を使った日替わりメニューも人気を集める要素の1つ。

新型コロナウイルス感染拡大のさなか、感染症対策を万全に期して営業を続ける米川さんに話を聞いた。

新型コロナ対策で様々な施策を取っているかと思いますが、具体的に対策を取っていますか

「入店時の体温測定・アルコールでの手指消毒、各テーブルのパーテーション設置、お客さんが帰られたあとにテーブルを洗剤スプレーで吹いてからもう1度アルコールスプレーで拭く2度拭きを実施しています。これはしっかりと徹底しているので、安心・安全という面では多重に出来ているのかなと思います」

コロナ禍に入ってから庄助さんではどのような悩みが増えましたか

「まず、ソーシャルディスタンス確保のために座席数が減ってしましましたね。本来60人の方に入っていただけるのですが、今は30～40人程度です。ピークタイムになると満席でお客様をお通しできないことも多いのですが、いざピークタイムを過ぎると席が埋まらないこともあるという……」

こうした状況を打破する手はあったのでしょうか

「昔は17時だったオープン時間を16時にして、16時～18時、18時～20時、20時～22時という3つの時間枠でお客様に入っていただく形を取りました。早い時間からの1軒目のお客様、遅い時間の2軒目以降のお客様とで上手く入れ替わる形でご来店いただけていますね」

来店するお客さんの雰囲気、感染症対策に関する意識はどう見ていますか

「ウチは元々満席の状態でもそんなに騒がしい店ではないですし、皆さん他のお客様にも気を使ってくださる方がほとんどです。若い方からご年配の方までそうですし、お客様のモラルに助けられていると思いますね。ベロベロに酔っ払ってしまった方も店を出るときにはマスクをして出ていかれるくらいには皆さん真面目な方が多いです（笑）」

そういったお店の雰囲気を作り上げる秘訣はあったのでしょうか

「店内が明るくて、外からも店の奥まで見渡せることが1つありますかね。外から中の雰囲気が分かるからこそ、それに合った方にご来店いただけているのかなと思いますね」

最後に、世間の皆さんにメッセージをお願いします

「店が明るいことで我々も隅々まで見渡せて注意が行き届いておりますし、皆さんに安心してお食事を楽しんでいただける環境づくりが出来ております。好きなお酒と食べたい料理でご満足いただけるよう、我々も誠心誠意のお出迎えができるよう精進してまいります。どうぞ庄助にお越しください！」